JR柏駅南口のかしわインフォメーションセンター内にある「シェアする本棚」の本が1000冊突破しました。
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「誰かに読んでもらいたい」と思ったとっておきの本を持ち寄る「かしわインフォメーションセンター」(千葉県柏市)の「シェアする本棚」の蔵書が1000冊を突破した。本には帯に感想を書き添えてもらい、処分目的と見られる場合は受け取らないのがルール。新型コロナウイルスの影響で友人でも対面での会話がはばかられる中、知らない人同士が本を介してつながり、思いを共有できる本棚として共感の輪が広がっている。
「シェアする本棚」はJR柏駅南口にある同センターに設置されている。最初に本2冊を持ち込むと特製のしおり1枚を渡される。本棚の本を読みたい場合はそのしおりと交換で1冊持ち帰ることができる。会員登録はなく貸出期間もない。気に入ればそのまま自分のものにでき、返却すればまたしおりをもらって別の本が読める。持ち寄る本は1回4冊まで。断捨離などを目的とした大量の本の持ち込みは禁止だ。コミック、雑誌以外はジャンルを問わない。コロナ対策にも気遣い、寄贈されたり返却されたりした本はセンターが5日間保管した上で本棚に陳列する。
同センターが2019年11月から寄贈本を募集すると、1冊も無かった本棚に少しずつ本が飾られるようになり、8月末には1230冊になった。
それぞれの本の帯には、本を提供した人の推薦文などさまざまなメッセージが寄せられている。例えば時代小説家、宇江佐真理さんの著書「糸車」の帯には「江戸に生きる庶民の哀観を描かせたら右にでる作者はいない。惜しくも亡くなられたが、作品は変わらず人気が高い」。宝くじで3億円を当てた男の話が描かれた川村元気さんの「億男」の帯には「3億円当たったのにな……。でも、実はお金よりも大切な物を見つける方法は?」。センターは市民の思いとともにスペースが拡大し続ける本棚に「見知らぬ人同士が本を介して出会い、新しい発見につながるコミュニケーションの拠点にしたい」と思い描く。
藤田とし子センター長は「会員登録など管理され窮屈な中でやるのではなくお互いが自由に信頼して貸し借りできるようにしたかった」とした上で「帯のメッセージを読むとその人と会話した気分になれ、今まで読んだことがないジャンルの本にも挑戦できる。ぜひ気軽に利用してほしい」とPRしている。問い合わせは同センター(04・7128・5610)。【橋本利昭】
「シェアする本棚」1000冊突破 とっておきの本を持ち寄り共有 千葉・柏