新型コロナウイルスの影響で2月から休業していた子ども食堂「大津ケ丘こども食堂」が4カ月ぶりに再開したことがわかりました。
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昭和時代後期に建てられた柏市大津ケ丘の団地で、新型コロナウイルスの影響により二月末から休業していた子ども食堂が、四カ月ぶりに再開した。感染防止のため、当面はフードパントリー(食材配布)を中心に不完全な形での活動が見込まれるが、スタッフや運営を支える地域住民らは「コロナ禍で、子どもたちも大変な今だからこそやらなければ。じっとしてはいられない」と、新しい生活様式の元での試行を模索している。(堀場達)
再活動を始めたのは、団地内の商店街の空き店舗に「高齢者ら住民の居場所をつくろう」と出店した「ふれあいカフェ・クルトコ」で、月一回開かれている「大津ケ丘こども食堂」。クルトコ前の広場で六月二十七日、スタッフたちが手分けして、米、野菜、菓子が入った袋を、集まった子どもに配った。
食材は計約二十キロ。近隣の生産者、生活協同組合、レストラン、フードバンクから寄付された。会食を楽しめないだけでなく、氏名を書いたり、手指を消毒したりと、これまでとは勝手が違いながらも、子どもたちは、うれしそうに食材を受け取っていった。
食堂代表で、地元の民生委員児童委員協議会の主任児童委員でもある深田恒子さん(51)は「以前は食事をしてもらうだけでなく、子ども同士やスタッフが交流を深めようと、折り紙や本の読み聞かせといった催しを同時開催してきた」と打ち明ける。再開初日も、プラスチック細工の「プラ板」作りをする計画だったが、感染防止を優先して取りやめた。
それでも再開に踏み切ったのは「行動しなければ。まずは一歩を」の思いと、周囲からの期待だ。クルトコの事務局には「子ども食堂に役立てて」と、国の特別定額給付金を十万円満額寄付するとの匿名の申し出が二人からあったという。
十八日に予定されている次回もフードパントリーのみになるだろうとしながらも、深田さんは「子どもたちの生活が充実するための工夫をしていきたい」と前を向く。クルトコの前には毎週金曜日に小学校一〜四年生に向けた一週間分の学習プリントを置くという支援を始めた。
三月初めから営業を自粛しているカフェも、子ども食堂に続き、七月中の再開を目指す。軽食は出さずに飲み物だけとし、週四日の営業を二日に半減させるなどのほか、感染防止のための接客マニュアルを作成中だ。団地住民でクルトコの運営委員会副委員長の下地益夫さん(82)は「さまざまな制限がある中、来店者が楽しめるようにしたい」と話す。
<新型コロナ>子ども食堂 再開 「大変な今だからこそ」 柏市大津ケ丘の団地